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カタツムリとナメクジ、殻以外の違いとナメクジが嫌われる理由。

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梅雨の時期になると、そこかしこで見る事のできるカタツムリ。

紫陽花の上などにいると実に絵になる梅雨時の風物詩でもあります。

童謡にもなっていたり、キャラクターとして愛らしい姿が描かれていたりもしますね。

そんなカタツムリと実によく似た生き物がナメクジ。

カタツムリから殻を取っただけの姿で、こちらもよく見ることができます。

ただ、大きく違うのは、カタツムリが愛されキャラとして子供たちからも可愛がられているのに対し、ナメクジは「嫌い!」という人が多いこと。

「あのヌルヌルした感じが・・・」とか「這った後のヌメヌメが・・・」などという理由で嫌われることが多いナメクジですが、ヌルヌルもヌメヌメもカタツムリだって同じこと。

殻のあるなしだけで、その待遇に天と地ほどの差ができてしまったこのふたつの生き物。

どこがどう違うのが、ちょっと調べてみましょう。

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まずはカタツムリの正体から。

実はこのカタツムリという名前は一般的な通り名であって、そもそもは陸上に生息する巻貝の呼び名のこと。

その名前の由来は、ワラなどをらせん状に縫い上げた、頭にかぶる「傘」がその語源。

そこから「傘に似た貝」のことを「かた」と言い、それが「丸くて小さい」を意味する「つぶら」と結びついたものとされています。

「つぶらな瞳」の「つぶら」です。

傘のような貝をかぶった、丸くて小さい生き物、ということから「カタツブリ」と呼ばれ、それが「カタツムリ」に変化し一般的になったようです。

そんなカタツムリ、生物学的にはマイマイ科に属する種類で、正式な呼び方では全ての種類に「マイマイ」という呼び名が付けられています。

日本でよく見られるカタツムリはオナジマイマイ科のものとニッポンマイマイ科のもの。

つまりカタツムリはサザエやバイ貝といった巻貝の仲間で、正式な名前は「マイマイ」というわけです。

ちなみに、この正式な呼び名の「マイマイ」も、そもそもは「巻き巻き」が変化したものとも言われています。

語源もやはり巻貝なのですね。

で、あの殻の中には何が入ってるのかといえば、カタツムリの内臓器官。

中にはヤドカリのようにナメクジが殻に入って担いでいる、などと思う方もいるかもしれませんが、あの殻はれっきとしたカタツムリの体の一部です。

なので、亀と同じく、あの殻を取ってしまうとカタツムリは死んでしまいます。

殻を取ったらナメクジになる、などとは思わないでくださいね。

ナメクジはカタツムリの進化型?

一方ナメクジですが、こちらの正体はといえば、カタツムリと同じく陸上に生息する巻貝の一種です。

「え? 貝? 殻がないじゃない」と思われる方もいると思いますが、ごもっともです。

たしかに殻はもっていませんが、分類上はカタツムリと一緒なのです。

実は、ナメクジの中にはうっすらと殻の跡が残っているものとか、体の中小さな殻を持っている種類もいるのです。

つまり、ナメクジは殻が邪魔になったカタツムリが進化したもの、と考えられるのです。

実はカタツムリの進化型だったのですね。

語源としては、滑るように移動することから「滑らか」の「滑」が使われ、そこに這った後がなにかで削ったように見えることで、「削る」という意味の「くじる」がつけられたとされていますが、こちらも様々な説があるようです。

また、昔はカタツムリもナメクジと呼ばれていたらしく、カタツムリと区別するために殻のないナメクジを「裸ナメクジ」などと呼んでいたとも言われます。

ということは、もしかするとナメクジは「ナメクジ」で、カタツムリに「殻ナメクジ」などという名前が付けられていたかも知れません。

なぜナメクジは嫌われる?

さて、同じ種類のナメクジとカタツムリですが、先に述べたようにその待遇には圧倒的な差があります。

カタツムリは梅雨の時期を代表するキャラクターとしてイラストなどにも使われ、可愛い生き物として扱われることが多いものです。

その上「でんでん虫」などという別名も付けられ、歌にまでも。

ちなみに、この「でんでん虫」の「でんでん」というのは「出ん出ん」のこと。

この場合の「出ん」は「出ない」の意味でなく「出よ」の意味で使われています。

つまりは「出よ出よ」、「殻から出ておいで」ということで「出出虫」、それが「でんでん虫」と呼ばれるように変わっていったそうです。

こちらも可愛いエピソードですね。

一方ナメクジはというと、決して可愛い生き物という扱いは受けていない気がします。

どちらかというと、嫌われキャラのイメージですね。

カタツムリと同じ巻貝の仲間、むしろ進化した形、植物の葉などを食べる、表皮や這った後にはヌルヌルの粘液が付いている、などなど、種類だけではなく、その食性にいたるまで共通点だらけです。

違うのは殻があるかないか。

ナメクジもカタツムリも体内の水分量が非常に多く、そのため乾燥に弱いという性質を持っています。

ナメクジに塩をかけると溶けてしまうというのは、浸透圧によって体内の水分が外に染み出してしまい縮んでしまったという状況なのです。

こえはカタツムリに塩をかけた場合も同じです。

あの表皮の粘膜は、体内の水分の蒸発を防ぐためなのです。

で、殻です。

乾燥に弱いカタツムリは乾燥した時期になると殻に閉じこもって乾燥から身を守ります。

ナメクジは殻をもたないので、自然とジメジメした場所に生息するしかないのです。

そのため、ナメクジはジメジメした場所にいるヌルヌルした生き物、と意識されてしまうのです。

それが嫌われる一番の理由かも知れません。

まぁ、殻というアクセントがないあのスタイルも一因かもしれませんが。

ちなみに、カタツムリもナメクジも寄生虫がいる場合が多いそうなので、触ったらまず手を洗いことをおすすめします。

エスカルゴは食べるのから、などといって決して食べないようにしてください。

 

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