2018年(平成30年)7月16日、月曜日は海の日です。学生達にとっては夏休み前の3連休の祝日ということで、若い人達はわくわくしたのを覚えている人も多いのではないのでしょうか。
ですが、お父さんお母さん世代に聞くと「そんなものはなかった」という人がいます。実は海の日は比較的最近生まれた祝日だったのです。海の日はどうやって、何のために生まれたのでしょう?
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生まれたのは1995年、施行が1996年から
海の日が制定されたのは1995年(平成7年)、その翌年1996年(平成8年)から施行されました。約20年ほど前に生まれたばかりの祝日だったのですね。
元々は7月20日だったのですが、2003年(平成15年)の祝日改正法(いわゆるハッピーマンデー制度)で7月の第3月曜日が海の日と改められました。
海の日の由来は?元は海の記念日という記念日
海の日は元々は海の記念日という記念日でした。この海の記念日は1876年(明治9年)の明治天皇の巡幸(天皇が各地へ赴くこと)の出来事が由来です。
当時全国を巡幸していた明治天皇は50日ほどかけて北海道・東北地方を巡る際、初めて灯台巡視船(蒸気船)に乗船しました。これはそれまで軍艦での巡幸はあったものの、灯台巡視船での航海は日本史上初めてのことでした。
この灯台巡視船は当時イギリスの最先端の技術で作られた船で、名前も明治丸というりっぱな名前をもらっています。この明治丸は順調に航海を続けていたのですが、青森から横浜港へ向かう途中で3日間もの荒波にあい、横浜港への到着予定を遅らせてしまいます。
当時の国民達は心配していたのですが、7月20日に横浜港に無事帰着した明治天皇は毅然とした態度を見せ国民達を安心させました。これにちなみ1941年(昭和16年)から7月20日を海の記念日としたのです。
ちなみに趣旨としては「海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う」日となっています。
国土交通省によると、世界中の国々の中で海の日を国民の祝日にしているのは日本だけだそうです。
海があるなら山もある?新しい祝日・8月11日の山の日
ここでふと疑問に思うのが、海の日があるなら、他にも山の日なんてあるんじゃないのか?という疑問。実は2014年(平成26年)から新しく山の日という祝日が制定され、2016年(平成28年)から施行されています。
この祝日は「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」ということを趣旨とした祝日なのですが、海の日のように元々何かの記念日だった………というわけではありません。
というのも、実際にある山々には各地の県などの地方自治体が独自に設定してある山の日があり、それらはバラバラです。なので山の日として全て統一するのは難しいことでした。
では何故8月11日になったかというと、元は日本山岳会など山に関する団体が山の日を作ろうと運動していて、それらを議員連盟が決定しようとした時にお盆休みと連続させやすいという理由から8月12日にしようとしました。
ですがこの日は1985年(昭和60年)に日本航空123便墜落事故という飛行機が墜落する大事故が発生した日であり、墜落した場所が群馬県の高天原山(通称御巣鷹の尾根)と山に関連した事故だったので、このことを配慮して8月11日を山の日にしたのです。
そんなわけで8月11日自体に意味がないこの理由には、批判的な意見も多いそうです。実際にはお盆自体が8月13~15日であるので、企業によってはその後の12日も休みにしたりしなかったり、または連休の分裂になったり………と場所によって影響は様々です。ですが結局、あまり大きな影響はなかったという意見もあります。
海の日が7月の連休じゃなくなるかも?
祝日として過ごされている海の日ですが、一部では7月の第3月曜日ではなく元の7月20日に戻そうという動きもあります。
これは超党派の国会議員や海運業界で作られた海事振興連盟という組合が「現在の海の日は存在意義が薄れて意味を知っている人が少なくなった、周知の為に元の日付に戻すべきだ。また、祝日には日付に意味がある」
といった理由から、第3月曜日ではなく元の7月20日に戻そう、という署名運動をしました。2014年には議員立法もしようとしていたのですが、これには観光業界や議員内でも反対意見が多数出ました。
というのも、この3連休は観光業界にとって重要な日になります。やはり夏休み直前の連休かつ、海開きなども多くなる時期ですから、この連休は前週の7月第2金・土・日と比べ旅行消費額などの経済効果は2倍近く差があり、20日に戻した場合2000億円の経済損失がある、とも言われています。
このため海の日は従来通り7月第3月曜日のまま変わらなかったのですが、連盟は「単に連休をつくるために海の日を変えてしまうのは、とても残念なことです」と今でも運動を続けています。
確かに連休は嬉しいのですが、従来の意味が失われてしまっては本末転倒なのが頷けるのも悲しいところ。海に囲まれた国だからこそ、海の日の意味は忘れないようにしたいですね。

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