ふと耳の奥がムズムズして、耳かきや綿棒で耳掃除をするとポロリと耳アカが出てきてスッキリ………誰でも経験のあることだと思いますが、耳掃除って上手くいくととても気持ちいいですよね。でも気持ちいいからってガリガリ耳掃除をしすぎて、耳の中を傷つけてしまったり水が出てきてしまった人も多いのではないでしょうか。
奥のほうまで掻き出さないと気持ち悪い、かといって耳かきを差し込みすぎても怖い………耳掃除って、どれくらい・どんなやり方が正解なのでしょうか?
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目次
実はマメに掃除する必要はない?耳アカの意外な役割
そもそも勘違いされやすいのですが、耳の中にある耳アカは汚いものではありません。耳アカというのは耳の中にある耳垢腺というところから出る皮脂が、古くなった耳の皮膚や外から入ってきた埃などの異物と引っ付いて固まって出来たものなのですが、これには様々な役割があります。
・耳の中の湿度・清潔を保つ
耳の中の皮膚も当然体の一部ですから、乾ききってしまうとひび割れたり傷つきやすくなってしまいます。耳アカは耳の中の表面を覆うことで、その皮膚を保湿してくれているのです。更に耳アカには耳を清潔に保つための殺菌効果も含まれており、雑菌の繁殖も防いでくれています。
・虫などの侵入を防ぐ
実は耳の中の皮膚というのは非常にゆっくりではありますが、耳の中から穴の外へ少しずつ移動しています。大体耳の奥にゴマ粒を置いたら、半年で外に出て行くと言われています。ですから耳の中の耳アカも、自然と耳の穴のほうへ集まっていくのです。
そうして増えすぎた耳アカは自然と外へ落ちていくとともに、耳の中への異物や虫の侵入を防ぐバリケードの役割も果たしています。
このように耳アカには様々な役割があるので、耳掃除をするのなら耳アカが耳の穴を防ぎきらない程度に一月に1~2回の頻度で十分なのです。
一人での正しい耳掃除は「浅く掻きだす」
一人で耳掃除をする時の正しい耳掃除は「耳の穴から浅く1cmほど耳かきを入れ、耳アカを優しく掻きだす」のが正解です。上で書いた通り、耳の中の耳アカは自然と耳の穴へと集まっていきます。ですので不要な耳アカは耳の穴から1cmほどの部分に集まっているのです。
そこに触れないように耳かきを差し入れ、そっと耳の外へ耳アカを掻きだしましょう。耳の中の耳アカまであまり執拗に掻きだすと耳の中の保湿・殺菌作用が低下してしまうのであまりオススメは出来ません。更に、奥まで差込みすぎてしまうと逆に耳アカを奥へ押し込んでしまうこともあります。
膝枕は実は間違った耳掃除?
二人で耳掃除をしてする・もらう時に定番の膝枕ですが、これが実はNG。もし耳アカを取り落としてしまうと、耳の奥へ耳アカが転がってしまうからです。お互いに座った姿勢でする・してもらうのがベストですね。
やり過ぎると外耳炎・耳垢栓塞など様々な病気になってしまうかも?
もし間違った耳掃除を続けてしまった場合、どんなことが起こるのでしょう?
・外耳炎・鼓膜炎・外耳道真菌症
これらは耳の中を掻き過ぎて起こってしまうことです。外耳炎・鼓膜炎は耳の中に引っ掻き傷をつけてしまった時、炎症を起こしてしまった時起こる病気です。外耳道真菌症はこれらの合併症として起こりやすく、炎症した傷跡にカビの菌が入ってしまうと起こる病気です。
・耳垢栓塞
これは耳掃除の時、耳アカを奥へ押し込んでしまうと耳の奥で耳アカが詰まってしまいます。そうすると音が聞き取り辛くなったり、水泳などで水が耳の中へ入ってしまうと耳の中がこもった感じになってしまいます。
乾いてる?湿ってる?
初めて人の耳掃除をして、湿った耳アカが出てきてびっくり!という人がいるかもしれませんが、それはおおよそ心配しなくても大丈夫です。
実は耳アカには人によって乾いているタイプ・湿っているタイプの二種類があります。これは上でもかいた耳垢腺が関わってきており、ここは汗を出す機能ととても類似していて、ここから汗が出やすい人ほど湿った耳アカになるのです。
日本人の半数以上は乾いているタイプなのですが、西洋人など外国の方は湿っているタイプが多いです。ですから外国では耳かきというのはほとんど売ってなかったりします。外国の方がお土産屋さんなどで耳かきを売っているのを見る珍しがるのはこのせいなのでしょうね。
なぜ耳掃除にハマってしまうのか?
それにしても、なんで人は耳掃除を気持ちいいと感じてしまうのでしょう?実はこれにもちゃんと理由があり、耳の中は200個もの快感を感じるツボがあります。そこに触れてしまうので、つい耳の中をいじりたくなってしまうのですね。
更にもう一つ、耳の中には迷走神経という神経があります。この神経も快感を感じさせる脳神経の一つですので、人に耳掃除をしてあげる時は優しく撫でるような気持ちで掃除してあげるといいですね。

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