今年の冬は、たびたび報道された通り、日本海側を中心に全国各地、豪雪に見舞われました。豪雪地帯で有名な新潟県の十日町市もご多分に漏れず相当降りました。雪下ろし作業中の被害やら、そこに暮らす人々は日々大変な苦労を強いられています。
雪のピークが過ぎたこの2018年3月、食にかかわる筆者が「十日町市の食の展示会」に参加。そこで出会った美味しい食材や温泉をご紹介します。今回のレポートは新潟県十日町市です。
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十日町市は何処にある?
位置・アクセス
新潟県十日町市は、新潟県の南端に位置します。交通アクセスは、東京からおよそ2時間。上越新幹線で越後湯沢乗り換え、ほくほく線十日町駅下車です。
市内を縦断するように信濃川が流れ、左岸、右岸ともに魚沼こしひかりの田んぼが広がります。冬は当然ながら雪で真っ白。越後妻有地区とも呼ばれます。
越後妻有地区
「つまあり」では無く、「つまり」と読みます。越後妻有(えちごつまり)地区とは、新潟県南端の十日町市と津南町からなる面積760㎢、東京23区より広い地域を指す日本有数の豪雪地帯です。過疎化が進む一方、国宝「火焔型土器」が遺された縄文の時代から人々が暮らし、農業を通じ大地とかかわってきた歴史・文化と、四季の変化に彩られ、山河によって育まれた日本の原風景とも言うべき美しき豊かな里山が今も残る地域です。
十日町市の美味しい食材のご紹介
食にかかわる仕事の一環で食の展示会に参加させていただきました。某ホテルの宴会場だったのですが、洋食で6種類、和食で9種類、中華で7種類、デザートで8種類、お酒は日本酒2種類にワイン、ウイスキー・・・・盛りだくさんでした。美味しかったものをピックアップしてみます。
妻有ポーク
今回、特に発信したかった食材がこの「妻有ポーク」です。まずは写真を見てください。しゃぶしゃぶ用で出展されてました。この地域の「妻有ポーク」は隠れた名産品なのです。とっても脂が爽やかでとろける旨味は絶品です。この他にも妻有ポークシュウマイや、妻有ポーク味噌漬け、妻有ポークウインナーなどラインアップも豊富です。こだわりの造り方を以下に紹介します。
抗生物質を使用しません
妻有ポークは、この地方の10農場で結成される「妻有畜産グループ」が、健康な豚を育てるための環境を地域ぐるみで整えることに取り組み、年月を掛けて愛情をたっぷりと込めて育てられて作り上げられています。完璧な防疫体制と衛生管理体制のため、外部の方の見学は出来ません。豚舎の外観だけ見てきました。
子豚期より抗生物質には頼らず、無薬飼料を与え、ビタミンやミネラル補強など栄養バランスにも気を配り、風味を良くするための油脂添加を一切せず、粗い脂肪の少ない穀物主体の特別配合の飼料を与えて飼育しています。普通、豚肉は出荷までに4回抗生物質の注射をするそうですが、この豚は一回も打たないので安心安全です。
臭みやえぐみが一切ありません
豚特有の臭みやえぐみが無く、特に脂身にまろやかな甘さとジューシーな旨みがぎっしりと詰まっています。脂のとける温度が低く、色は純白で、赤身は程良い歯ごたえの柔らかさがあります。
また、じっくり丹念に「熟成」を施すことにより、より一層の柔らかさと、きめ細やかな旨みを引き出しています。
ゆっくりと熟成させます
一般的な豚に比べビタミンEが約10倍含まれており、抗酸化作用により熟成をなだらかにゆっくりと経て、脂の旨みが最大限に引き出されていきます。
熟成に丹念に時間を費やすことで、口どけは自然にとろけるような食感と、甘みの広がりを実現しています。
日本農業大賞
完璧な防疫体制と衛生管理体制の確立が高く評価され、日本農業賞大賞等を受賞しています。
日本農業賞は、個人が受賞することは多々あっても、団体で受賞されることはあり得ないと言われている賞なのですが、妻有ポークの豚舎では個人及び団体として受賞したそうです。また十日町市では「子供たちに安心と安全な食を」という観点から、小中学校の給食に採用されています。
もうすっかりはまってしまい、しゃぶしゃぶ用で購入してきました。地元の日本酒(魚沼酒造「天神囃子」、ワイン(越後ワイン)にぴったり合いました!質の良い脂を爽やかになという相乗効果で、旨味が引き立ちました!!(^^♪
ここで購入できます。
雪室(ゆきむろ)貯蔵米
雪深い十日町では、その雪を天然の冷蔵庫として利用して、様々な農作物を保冷しています。今回見学したのは、十日町市にあるリゾートホテル内のコテージの地下を「雪室(ゆきむろ)」にしているものでした。降り積もった雪を雪室に入れ込み、1年中電気を使わない天然の冷蔵庫としているのです。そこに秋口に収穫した新米の魚沼こしひかりを貯蔵するのです。雪室の中でじっくりと眠るお米は、呼吸をしています。雪室の中は適温適湿(5℃、75%前後)で保たれているため、この呼吸による古米臭の原因とされる脂肪酸度の上昇を抑制し、新米同様の食味・香りを維持できます。電気冷蔵貯蔵庫に比べ二酸化炭素排出が無く、地球環境にも良いのです。酵素活性と脂肪酸度の高まりを抑制するので、鮮度維持能力に優れます。
雪下人参・雪下人参ジュース
豪雪地ならではの特選野菜で、昨年秋に収穫する人参をわざと3~4 メートルもの雪の下で冬を越させ、春の3月中旬から4月頃にかかけて除雪をし収穫する人参のことです。特徴は、糖度が普通の人参に比べ2度程高く、人参特有の嫌な癖もありません。人参嫌いの方でも食べていただけます!サラダや写真のように「雪下人参ジュース」としても売られています。
ピーチフレグランス苺
花水農産という生産者を見学してきました。山間にあるのですが、野菜や豆腐、苺など、苗場山から潤沢にほとばしる名水を贅沢にふんだんに使っていました。そんな食材が美味しくないはずがありません。特に今が旬のいちごは、「ピーチフレグランス苺」といって桃の香りがします。少し白い色のイチゴでしたが絶品でした。
魚沼の水
とにかく「水」が美味しかった。周りを山に囲まれる当地ではふんだんに伏流水を利用できます。なのでこの地域で作られる惣菜やのっぺもすべて美味でした。
単体でも紹介します。その名も「魚沼の水」です。三国山脈系苗場山(2,145m)東側の深い地層で 自然ろ過された「硬度16」の超軟水です。これを使って魚沼こしひかりを炊き上げるとふっくら旨味のブランド米が一層引き立つのです。
十日町産にんにく
「愛(めご)にんにく」といいます。風味が良くて、栄養豊富。カリっと焼き上げたにんにくは実に香ばしく美味でした。しかも匂わないのです。
お腹一杯になったところで、さあ、最後にこの地域の温泉をめぐりましょう!
十日町市の温泉めぐり
十日町市の温泉郷は、エリア別に、松之山地域、十日町地域、中里地域、松代地域、川西地域と5つの地域からなります。広報の動画です。代表する公共の8施設を紹介しています。
松之山地域(松之山温泉郷 松之山温泉)
日本三大薬湯といわれており、新潟と長野県境にたたずむ雪深い山あいの温泉郷で、鷹の湯、庚申の湯、鏡の湯、湯田の湯、じょうもんの湯、湯坂の湯、翠の湯と、7か所の源泉があり、全て自噴です。ナトリウム・カルシウム-塩化物泉。塩分が強いのが特徴で、冬でも湯冷めしません。
十日町地域(十日町温泉郷 明石の湯)
「越後妻有交流館キナーレ」内の入浴施設。季節毎の「変わり湯」も楽しめます。
館内にはお食事もできる無料休憩室やカフェも併設しています。隣に道の駅「クロステン」もあり、土産物等、すべてここで揃います。塩化物、炭酸水素温泉。
中里地域(ゆくら妻有、ミオンなかさと、清津峡小出温泉 湯処よーへり)
上信越高原国立公園にある日本三大峡谷、清津川の渓谷にひっそりとたたずむ温泉郷です。道路事情が悪かったため、大正時代に知られるようになりました。単純硫黄泉。
松代地域(まつだい芝峠温泉 雲海)
ここから望む大パノラマは「八海山」「巻機山」「苗場山」などの魚沼連峰です。四季折々の感動を与えてくれます。日常から離れ、どこか懐かしい日本の原風景に触れることが出来ます。ナトリウム・塩化物温泉。
川西地域(千手温泉 千年の湯)
温泉は、開設当時から「神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩・・・とにかく健康になってしまうという噂」で、市内外から年間25万人以上の温泉通が訪れています。
温泉は源泉の掛け流し、檜をふんだんに使った檜風呂と信濃川の自然石を使った玉石風呂が自慢で、露天風呂やサウナも楽しめます。弱アルカリ性単純泉。
豪雪地域の旅の魅力 新潟県十日町市は食と温泉の宝庫のまとめです
十日町市は何処にある?
位置・アクセス
新潟県十日町市は、新潟県の南端に位置します。
越後妻有地区
新潟県南端の十日町市と津南町からなる日本有数の豪雪地帯です。日本の原風景とも言うべき美しき豊かな里山が今も残る地域です。
十日町市の美味しい食材のご紹介
妻有ポーク、雪室貯蔵米、雪下人参・雪下人参ジュース、ピーチフレグランス苺、魚沼の水、十日町産にんにく
十日町市の温泉めぐり
松之山地域(松之山温泉郷 松之山温泉)
十日町地域(十日町温泉郷 明石の湯)
中里地域(ゆくら妻有、ミオンなかさと、清津峡小出温泉 湯処よーへり)
松代地域(まつだい芝峠温泉雲海)
川西地域(千手温泉 千年の湯)

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