「三すくみ」という言葉を知っていますか?
奈良時代からあった言葉のようで、この三つというのは「カエル」「ヘビ」「ナメクジ」のこと。
カエルはヘビが苦手、ヘビはナメクジが苦手、ナメクジはカエルが苦手、というふうにお互いにそれぞれ苦手な相手がいて、動きが取れなくなってしまうといったような意味の言葉です。
で、この三つ、すべてが人が苦手とする生き物の代表格的な存在ですね。
これにクモとゴキブリを加えて「人の五すくみ」と言ってもいいぐらいです。
中でも苦手な人が多いのがクモとヘビではないでしょうか。
ちなみに私はクモが大の苦手ですが、ヘビは毒さえなかったら大丈夫です。
毒ヘビという言葉があるぐらい、毒を持ったヘビはけっこういるものです。
海外ではコブラやガラガラヘビが毒ヘビとして有名ですが、日本にはマムシ、ハブ、ヤマカガシの3種類の毒ヘビが存在しています。
ちなみに毒の強さはヤマカガシ、マムシ、ハブの順。
意外と思われるでしょうが、日本にいる毒ヘビの中ではハブが一番毒が弱いのです。
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沖縄で危険なハブが4種類。
ハブがいない島もあるんです。
ハブというヘビは1種類ではありません。
沖縄には30種類以上のヘビがいますが、その中でも危険なのはホンハブ、ヒメハブ、タイワンハブ、サキシマハブのハブ4種類。
毒の強さはマムシより弱いと言われますが、ヒメハブ以外は体長が1m前後、ハブなどは2mを超えるものもいるので、万が一噛まれた時に大量の毒が注入され大事に至ってしまうのです。
さて、そんなハブですが、沖縄ではハブのいる島といない島があります。
沖縄本島から飛び石でいる島といない島になっている、などと言われることもありますが、実際にはそうではないようです。
代表的なところでは宮古島、波照間島、与那国島、南大東島、北大東島、多良間島など、沖縄の17の島にはハブは生息していないようです。
私が宮古島の友人宅を訪れたときのこと、友人の「裏の丘に登って道に寝転んでみなー。星がきれいさー」という言葉にしたがって裏山の細道を登って道に寝転び、素晴らしい星空を見ることができました。
ハブのいない宮古島だからできたことですが、もしハブのいる島でそんなことをしたら自殺行為になってしまいますね。
ハブはどこにいるのか?
遭遇したときすべきこと。
種類にもよりますが、ハブの主食はネズミやカエルとされているので、ネズミやカエルが生息している場所にはハブもいると考えたほうがよさそうです。
基本的には都市部以外の草むら、木の枝、石垣、水辺、山道、側溝、廃屋などにいるようですが、那覇市内で発見されたという報告もありますので、注意するにこしたことはありません。
とはいうものの、そうそう出会うことはないようです。
私も20年近く毎年沖縄に行っていますが、幸運なことに一度も遭遇したことはありません。
しかし、生息している以上ハブに遭遇してしまう確率は0ではありません。
では万が一遭遇してしまったらどうすればいいかといえば、まずそのヘビがハブかどうか確かめることです。
いきなりヘビに遭遇して、そのヘビの素性を確かめるというのは難しいとは思いますが、ハブであるかどうかというのは重要なことなのです。
いきなり大声を出して逃げたりしたら、相手も驚いて攻撃してくる場合もあります。
ハブは自分の長さの3分の2ぐらいが攻撃範囲と言われていますので、まずはとにかく距離をとって落ち着くことが肝心です。
もしハブだと確認できたら、110番に連絡してください。
那覇市などでは「見つけたら110番、噛まれたら119番」という標語もあるようです。
万が一噛まれたら。
慌てず騒がずが一番です。
ハブに遭遇しても、ちょっかいを出したり、脅かしたり、偶然にも踏んでしまった、触ってしまったなどという以外は噛まれたりすることはまずありません。
めったに遭遇しないハブですが、不運にも出会ってしまった、最悪なことに噛まれたしまった、などというときも慌てるのは禁物です。
まぁ、慌てないでください、と言っても難しいですが、とにかく噛まれたのがハブであることを確認するのが大事です。
確認できなかったとしても、とりあえず人や救急車を呼んで必ず病院に連れて行ってもらいましょう。
毒がまわりやすくなってしまうので、自分で動くのは禁物です。
市販のポイズンリムーバーなどが一番ですが、ない場合は応急処置として手や口で毒を吸い出します。
毒を口に入れるのは怖い気もしますが、大きな害はないので大丈夫です。
次に噛まれた場所よりも心臓に近い場所を縛ります。
その時、きつく縛ってしまうと逆効果になる場合がありますので、指1本分ぐらいの余裕を持って縛ってください。
ハブ以外の毒ヘビに噛まれた時も同じです。
覚えておいて損はありませんよ。
とにかくハブを驚かせないこと。
万が一のことを考えて、沖縄旅行を計画しているという人はネットや本などの写真を見てハブの特徴を調べておくのがいいでしょう。
そうすればヘビに遭遇したときに、それがハブなのかどうかがわかるはずです。
また、ハブは比較的攻撃的なヘビとされることが多いですが、何もしていない相手に飛びかかかってくるようなことはないといいます。
ちょっかいをかけたり、踏んだりしてハブを驚かせなければ、まず噛まれることはありません。
基本的には夜行性ですので、夜に草むらとか暗い山道、薄暗い場所など、ハブが生息しているおそれのある場所にさえ近づかなければ、遭遇することは少ないでしょう。
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