今年の夏休みは南の島に行ってマングローブ林を探検するんだ。
そろそろ、そんな計画を練っていらっしゃる方も多いことでしょう。
南の島といったらやはり海ですが、海遊び以外ではマングローブツアーというのもメジャーな遊びです。
河口付近に特徴的な根をはって群生しているマングローブ林の中を、カヤックや徒歩で探検するのは不思議でもあり、楽しいものです。
私も沖縄で何度かマングローブツアーを楽しみましたが、その独特な雰囲気に魅了されてしまいました。
ただ、このマングローブ林にはマングローブの木は1本も生えていないのご存知でしたか?
いや、そもそもマングローブの木という植物は存在していないのです。
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目次
誰もが知ってるマングローブ。
実は植物の名前ではありません。
マングローブ林といえば、ほとんどの方が聞いたことはあるでしょう。
私も最初はマングローブという植物がたくさん集まって生えていると思っていました。
あんな河口に生えているのだから、マングローブというのは塩水を好む植物なんだな、とも。
しかし、それは大きな間違いでした。
マングローブというのは、海水と淡水が混ざり合う汽水域に生える植物の総称なのです。
そういった植物が群生しているのがマングローブ林。
竹林とか松林といった、生えている植物からつけられた名前ではなく、どちらかというと雑木林とか水草、高山植物という表現に近いのです。
話は逸れますが、花火の時期になると聞かれるスターマインという言葉。
花火の種類の「みつばち」や「しだれ柳」と同じと思われがちですが、スターマインというのは花火の打ち上げ方のこと。
いくつもの花火を同時に打ち上げる連発型の打ち上げ方式のことをいったもので、花火自体の名前ではありません。
形式や総体を表す言葉が、単体を表す名称として認識されてしまう。
そういう言葉なのです。
ではどんな植物がマングローブ?
何種類ぐらいあるの?
世界には100種類以上とも言われるマングローブがあり林を作っていますが、日本の場合はオヒルギ、メヒルギ、ヤエヤマヒルギ、ヒルギダマシ、ヒルギモドキなど6〜7種類とされています。
そういった植物が河口付近の汽水域に集まり林を作り上げているのです。
なので、マングローブ林に生えている植物は1種類とは限りません。
マングローブは塩水で生きられる?
不思議な能力と根の不思議。
マングローブといって思い出すのは水の中に這わせたタコの足のような根っこですね。
普段見慣れた植物とは全く違う独特な雰囲気を醸している、マングローブ林ならではの景色です。
普通の植物は根から水分を摂って成長しますが、汽水域に生えているマングローブは海水と淡水が混ざり合った汽水を吸い上げています。
ただ、マングローブも植物ですから、成長のために必要なのは淡水です。
普通の植物でしたら、これだけで枯れてしまいますが、マングローブは比較的塩分に強く、またその環境から進化した特殊な能力が備わっているのです。
能力にはいろいろなタイプがあるようですが、まずあの特徴的な根の中に塩分を取り除く機能を持っている種類、吸い上げた塩分を一部の葉に溜めてその葉を落としてしまう種類など、自己防衛のために様々な能力を身につけているです。
もし、マングローブ林に出かけたら、葉をじっくりと観察してみてください。
塩分を溜めて黄色く枯れた葉がいくつか見られるはずです。
また、あのタコの足のような根っこは、満ち引きを繰り返す汽水域の水の流れや、不安定な水中の土壌から流されないようにするためなのです。
マングローブはどこに行けば見られるの?
マングローブ林の中は自然がいっぱい。
どこで見られるかというと、自然のマングローブ林の最北端は鹿児島県の種子島と言われています。
つまり、鹿児島や沖縄など、南に行けば河口付近で見られますが、種子島のマングローブはメヒルギがほとんどのようです。
それ以外のマングローブはやはり沖縄ということになります。
様々なマングローブが群生する光景をみたいのであればやはり沖縄がいいでしょう。
では、どうやって楽しむか。
海辺の河口などに行くと、例の特徴的なマングローブ林を見ることはできますが、植物の名前や生物のことなどは私たちのような観光客ではまったくわかりません。
沖縄などでは、必ず「マングローブツアー」という言葉をパンフレットやガイドブックで見かけるはずですので、そういうツアーに参加して、生えている植物の種類だとか、マングローブで生活している様々な生き物をガイドしてもらうのがオススメだと思います。
私も石垣島でマングローブツアーに参加しましたが、オヒルギ、メヒルギ、ヒルギダマシなどの植物を教えてもらったり、マングローブシジミが1日かけて這い進んだ跡などを見せてもらったり、とても楽しい時間がすごせました。
マングローブ林は南の島に行ったら是非楽しんでいただきたい場所のひとつです。
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