3月になると沖縄では様々なビーチで海開きが始まります。
今年は3月17日の恩納村万座ビーチが最初のようで、その後続々と海開きが行われ、海のシーズンに突入というわけです。
今年は沖縄に行ってシュノーケリングを楽しみたい、という方もたくさんいらっしゃることでしょう。
確かに、沖縄に行ったらシュノーケリング。
スキューバダイビングに比べ、器具もライセンスも不要。
シュノーケルと水中メガネさえあれば、誰でもどこでも気軽に楽しむことができます。
ビーチからほんの少し海に入っただけで、楽に背の立つような浅瀬でも綺麗な魚をたくさん見ることができるのでお子さん連れにも大人気ですね。
まるで自然の水族館にでもいるようで、つい夢中になってしまうものです。
しかし、こんな簡単で楽しいシュノーケリングにも落とし穴があるのです。
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目次
まずはシュノーケリングの基本、服装から。
沖縄の海には危険が潜んでいます。
真っ青でこの世のものとは思えないほど美しい沖縄の海。
白砂のビーチでは、ミルキーグリーンから沖の深いブルーまでグラデーションをなすかのように美しい海が広がっています。
ただ、そんな美しい海とはいえ、湘南のビーチのように水着1枚で入るのは禁物です。
まずは日射しの強さ。
沖縄の紫外線の強さは半端ではありません。
夏などは数時間いただけで、火脹れのようになってしまうでしょう。
なので、海で遊ぶだけでも水着だけでなく、Tシャツやラッシュガードなどを着るのが基本になります。
シュノーケリングを楽しむのであれば、より地の厚いラッシュガードや、真夏であってもウェットスーツを着るのが大事です。
それと絶対欠かせないのがグローブ。
専用のグローブもありますが、軍手で十分です。
なぜか?
沖縄の海にはたくさんのサンゴがあります。
地の厚いウェアを着るのも、グローブをするのもこのサンゴ対策なのです。
年々その数が減ってきているサンゴに触るのはもっての外ですが、意としなくても波に押され手をついてしまったり、つい夢中になって腕などをこすってしまう、などということもあるでしょう。
ご存知のように、サンゴは根となる岩についた硬い生物です。
それに先端がするどく尖っていたり、根元の岩の部分も火山の溶岩のようにゴツゴツしています。
素手や素肌で触れただけで怪我をする危険が大きいのです。
私もグローブを忘れてしまったとき、波に押されて思わずサンゴの根元の岩に手をついてしまい切り傷を負ってしまったことがあります。
そんな怪我を防ぐためにも厚目のウェアとグローブは必ず身につけてください。
生き物に触っちゃダメはあたりまえ、でも・・・。
思わぬ怪我に注意しましょう。
ネットや本、ビーチに立てられている「危険生物に注意!」の看板でも「沖縄の危険生物」を知ることができます。
シュノーケリングをしていると、そういった生物に出会うことも少なくありません。
そんな危険生物にも様々な種類があって、触ってはいけないもの、知らないうちに触ってしまうもの、向かってくるもの、に分けられます。
危険生物として有名なイモガイ(アンボイナ)、ウミヘビやヒョウモンダコ、オニカサゴなどはこちらが手を出さなければなにもしないので、注意していれば大丈夫ですが、どれもが強力な毒を持っていますので絶対に手を出してはいけません。
また、あまり知られてはいないのですが、カクレクマノミの隠れ家として有名なハタゴイソギンチャクの触手には小さな針があり刺されてしまうこともあります。
とくに、お子さんはカクレクマノミが大好きなので、手を出さないように注意してあげてください。
こちらが意としないのに、知らないうちに触ってしまう生物もやっかいです。
海面近くを漂っていて、長いその猛毒の触手に触れてしまうハブクラゲやカツオノエボシ、踏んでしまうと底の薄い履物では棘が貫通し、中で粉々に折れてしまうウニの一種ガンガゼ、岩と見分けがつかないぐらいじっとしている猛毒の棘状のヒレを持つオニオコゼ、たくさんの毒棘を持つオニヒトデなど、無意識に触れたり、踏んでしまったりするものもいます。
よほど注意をしていないと被害にあってしまうことも多いので、つい海底近くばかりに目線を向けてしまうシュノーケリングの場合でも足をつく場所、水面近くなどにも気をつけなければなりません。
危険生物の中で一番やっかいなのが向かってくるものです。
一番怖いのはサメですが、岸かあまり遠くない場所でのシュノーケリングではそれほど出会う心配はありません。
同じく、沖での場合は水中メガネぐらいは貫通してしまうぐらいのくちばしを持ったダツという魚も脅威です。
ダツは光るものに猛スピードで突進してくる性質があるので、沖でナイトシュノーケリングを楽しむような場合は気をつけてください。
シュノーケリングでよく出会う向かってくる魚2種類。
浅瀬でもプライベートビーチでも普通にいます。
沖縄でシュノーケリングをしていておそらく何度も出会ってしまうであろう、向かってくる魚がゴマモンガラとムラサメモンガラです。
両方ともモンガラカワハギ科の魚で、ゴマは50〜60センチほど、ムラサメは20センチほどです。
そもそもモンガラカワハギ科の魚の餌はサンゴ。
鋭いくちばしのような口で、サンゴをバリバリと噛み砕いて食しています。
そんな鋭くて強い歯を持っていますので、万が一噛まれたりしたら大怪我を負ってしまいます。
特に体の大きなゴマモンガラなどは、人の指ぐらいは噛み切ってしまう力があるといわれ、ダイバーの間ではサメよりも怖いと言われているほどです。
ムラサメモンガラも体は小さいですが、噛まれると怪我をしてしまいます。
私もムラサメモンガラには何度か噛まれたことがありますが、4本の歯の噛み跡がしっかりついていました。
普段は向かってはこないのですが、モンガラカワハギ科の魚はテリトリー意識が強く、産卵期などにテリトリーに近づくと猛然と向かってきます。
なので、6〜8月ごろの産卵期に彼らのテリトリーである根(岩とかサンゴ礁)に近づくと、噛まれる危険があるので注意してください。
ゴマは体が大きいので少し深い場所に多い魚ですが、モンガラは浅瀬などでも数多く見られます。
リゾートホテルのプライベートビーチの網に区切られた遊泳区域内でも見られることさえあるのです。
実際に私が初めて噛まれたのはそういった場所でした。
もし、ゴマやモンガラに出会ってしまったら即その場所から遠ざかりましょう。
楽しいシュノーケリングも注意が肝心。
夢中になりすぎないことも大事です。
そんなに怖いことがたくさんあるのかぁ、などと思った人もいるでしょう。
たしかに、危険生物や怪我の危険は避けられません。
しかし、シュノーケリングにはそれ以上の楽しさがあるのです。
素晴らしく綺麗な海にはいって、綺麗なサンゴや魚を眼の前で見られるというのは何ものにも代えがたい魅力です。
それも、沖縄なら簡単な装備で岸に近い浅瀬でもできるんです。
ぜひ、トライしてください。
ただし、あまり夢中になってしまって魚ばかり見るのではなく、自分や周囲に注意を払うことを忘れずに。
前準備として、ネットや本、ビーチの看板などで危険生物の姿を覚えておくのも大事ですよ。
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