春と言えば桜ですね。そろそろデパ地下でも桜にちなんだお菓子が
並びだすころで、心浮き立つ気分です。
そして、桜と言えば「花見」ですね。
皆さんは今年、花見計画していますか?
そう言えば花見っていつからあるんだろう?と気になったことは
ありませんか?多少知っておくと、宴会でも盛り上がること、
間違いなしですよ!
今回は、花見の起源や由来、そして現代の花見事情やマナーに至るまで
紹介します。
スポンサーリンク
目次
花見の起源や由来
日本の花見は奈良時代の貴族の行事が起源だと言われています。
奈良時代には中国から梅が伝来したばかりで、梅を花見として鑑賞して
いましたが、平安時代になるとその花見が桜へと代わっていきました。
「万葉集」では圧倒的に梅に関する歌が多かったのですが、「古今和歌集」
では桜の方が多く詠まれるようになりました。
この時代から梅や桜を「美」と感じ、愛でていたかと思うと、歴史は
ずっと繋がっているんですね。
鎌倉・室町時代になると、武士階級にも貴族の花見の風習が広まりました。
歌人の「吉田兼好」が「徒然草」第137段では「身分のあるひとの花見と
片田舎の人」の花見の違いを説いており、鎌倉末期から室町初期には、
地方でも花見の宴が催されていたのが分かります。
そして、一般庶民に花見が広まったのは、もう少し後の江戸時代になります。
この頃から桜の品種改良も盛んに行われるようになりました。
八代将軍・徳川吉宗が浅草や飛鳥山に桜を植林させるようにし、庶民の行楽を
奨励したことから、現在のような花見風景が出来上がったようです。
このようにして、桜を眺めては戦で傷ついた心を癒したり、戦争で何もかも
失い絶望の淵にも、満開に咲く桜に背中をポンと押されたような、生きる
希望をもらい、そして現代においても人々の心に感動と癒しを与えてくれて
いる日本を代表する花ですね。
日本の桜のルーツ
日本ではあまりに有名な桜の木。実は、桜の原産地は日本ではなく
ヒマラヤ近郊と言われています。現在、北半球の温帯地域に分布
しています。
そして日本でも交配や品種改良が盛んに行われ、現在では600種
以上もの品種が確認されています。
中でも、江戸後期に染井村(東京都豊島区駒込)の植木屋がオオシマサクラ
とエドヒガシの交配種である「吉野桜」が完成し、現在は「染井吉野」と
改名されて、花見でも一番人気ですね。
しかし、一つ困ったことがあって、染井吉野は観賞用として交配したので、
自力で繁殖することができないのです。
現在皆さんが鑑賞している染井吉野も、一本の原木から接ぎ木や挿し木
で増やしたクローンなので、将来的に寿命を迎えるのを恐れ、延命作業などに
対応しています。
開花から約2週間咲く桜は、散るさまも何だか儚げです。桜がずっと先の
未来にも、満開な姿を後世に残していきたいですね。
スギやヒノキは花粉の木、桜は?
春の花粉の原因になる主な木は皆さんもご存じスギやヒノキですが、
実は、桜の木にも花粉によるアレルギー症状を起こす人もいるようなので
注意が必要です。
ただ、スギやヒノキは風媒花と言って、風に乗って花粉を飛ばし
受粉する植物ですが、桜は虫媒花と言って、虫に花粉を運んできてもらう
植物なので、虫の体に花粉が付着しやすいように、ベタッとして重いので
遠くに飛散することなく、人の呼吸にも入り込みにくいのでまだ安心ですが、
直接触れた手で目や鼻をこすったりしないよう、注意しましょう。
花見がなぜ盛り上がるのか
長い歴史において、日本人はどうしてここまでも桜が好きで、花見が盛り
上がるのか。それには元々、日本は四季折々の風景を楽しむ習性があるのに
加え、桜はこの時期にしか咲かない、まさに一時の儚さと美しさが兼ね備え
られた、優美な鑑賞物として捉え、楽しむようになったのだと感じています。
また、先ほど桜の花粉の話をしてきましたが、花粉には「エフェドリン」
という、興奮を誘発する物質が含まれていると言われています。
そんな物質が宴会を盛り上げてくれる要因になっているのかもしれません。
また桜の香りは、不安な気持ちを取り除き、情緒を安定される効果があったり、
二日酔いにも効果があるようです。このことから考えると、花見客は皆笑顔で
思い思いに楽しそうですね。桜には目で鑑賞するだけでなく、秘めたパワーも
あることが分かりました。
花見におすすめの食べ物は?
花見におすすめの食べ物と言えば、いつの時代にも「団子」がそばに
ありました。
江戸時代には「花見団子」が人気で、庶民の花見のお供だったようです。
花見団子とは、三食団子が主で「桜色、白色、緑色」で、現在でもいただく
ことができます。
・桜色は「春の息吹と桜」を表し
・白色は「雪の白で冬の名残」を表し
・緑色は「ヨモギで夏の予兆」を表現しています。
他には「花見弁当」も華やかでいいですね。
桜を眺めながら、外でいただくご飯は格別です!
江戸時代では、既に花火弁当を持参して出かけていました。
日本酒も持ち運べる構造の段重ねの重箱が使われていたようです。
現在でもデパ地下や日本料理店などで趣向をこらしたお弁当が注文できます。
※ここで、自分で作れるおすすめ花見弁当の動画を載せておきましたので、
参考にして下さい。
花見でのマナー
ここ数年、外国人観光客も増えて日本の桜を称賛していただくのは嬉しいですが、
最近さまざまなマナーが社会問題となっています。また、酔っぱいのマナーが
悪い日本人によって、外国人が受ける印象というのも変わっていきます。
その事例を紹介します。
*1.禁止場所での場所取り
禁止場所であることが分かる看板や案内を無視し、場所取りをする行為は
マナー違反です。撤去されてしまっても文句の言いようがありません。
絶対に止めましょう。
*2.持ち寄ったゴミは持ち帰る
現在ではデリバリーが便利で、コンビニエンスストアで飲食が手軽に
買えるようになり、花見会場ではペットボトルなどのゴミが増えてしまって
いるのが現状です。稀にマナーの悪い集団や団体が酔っぱらって、ゴミを
持ち帰らないということがあり、問題になっているようです。
周りに迷惑をかけない程度で楽しみ、宴が終わった後は気持ちよく
片付けて帰りましょう。
*3.桜を折ったり傷つける
酔っぱらうと陽気になり、大胆な行動になる人がいます。
手に届く桜の枝を折ったり、桜の花をもぎ取る人がいるようです。
また最近では、SNS投稿(いわゆるインスタ映え)に燃えて、桜の枝に
体重をかけて折れそうになるくらい曲げて撮影したりと、やりたい放題
で周りが見えていない人が多いようです。
ここ近年、外国人観光客が多く訪れています。そのお手本にならないと
いけない日本人がこのような行為をしていては「桜の花は取ってもOK」
と外国人の方々も勘違いしてしまうので、周りをよく見て行動には
十分気を付けましょう。
*4.夜桜の風情が台無しな行為
夜桜の宴もライトアップが幻想的で素敵ですね。
昼間の花見は家族連れが多かったりしますが、夜桜見物は大人がしっとりと
その桜の美しさを楽しみたいと訪れる人が多い中で、夜桜=無礼講と
言わんばかりにどんちゃん騒ぎしているマナーの悪い人がいます。
カラオケの機材を持ち込んだり、火気の使用厳禁なところで使用するなど、
こういったマナーが悪い人は毎年特集ニュースとして取り上げられて
います。恥ずかしい醜態をさらけだす羽目にならないためにも、
節度を持った大人の行動を取り、花見を楽しみましょう!
花見のまとめ
①花見の起源や由来を知り、理解を深めよう
②染井吉野の寿命危機を知り、大事に愛でよう
③節度ある行動とマナーを守ろう

コメント
コメントはありません。