「供花・催事・兆位」
左から、『くげ・さいじ・ちょうい』………初見で全部読めた方はいましたでしょうか?
普段目にしたことはあっても読めない漢字というのは、意外と多いものですよね。かくいう私自身、以前お寿司屋さんで友人と食事中に『西京焼き』(さいきょうやき)を間違えて“せいきょうやき”と読んでしまい笑われてしまったことがあります。
今回はそんな読み方が分かり辛い漢字をいくつか、簡単な意味の解説を添えてまとめてみたいと思います。読める自信のある方は、回答を見ないで挑戦してみてくださいね!
- 妻帯
- 轍
- 判官贔屓
- 別嬪
- 美人局
- 梯子
- 姦しい
- 御御御付
- 小鳥遊
- 驟雨
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1.妻帯
読み方は『さいたい』
意味は妻を持つこと、もしくは妻がいること。
よく聞く単語だと後ろに“者”が付いて『妻帯者』(妻がいる人)などがあるでしょうか。この単語をよく聞くのは最近だとニュースの浮気・不倫報道などが多いイメージがありますね。
2.轍
読み方は『わだち』
意味は車輪などの進んだ道跡。転じて、先人の道筋や先例など。
最近では曲名や歌詞などで良く目にする機会が増えたと感じる単語ですね。
3.判官贔屓
読み方は『ほうがんひいき』
意味は、弱い立場の者にはつい道理を通さずに肩入れして同情してしまう心情をさした言葉。
『ひいき』は読めても『ほうがん』は『はんがん』と読んでしまう方も多いのではないのでしょうか。実際には『はんがん』も間違いではないのですが、歌舞伎などの伝統的な読み方は『ほうがん』となります。
4.別嬪
読み方は『べっぴん』
意味は主に、女性の美人をさした言葉。
語源は別品(普通より優れた品・特別な品)という品物をさす言葉が人物を表す言葉になり、嬪(高貴な女性をさす漢字)が当て字され今の形になったと言われています。
5.美人局
読み方は『つつもたせ』
意味は女性を使ったハニートラップや、恐喝など。
元々『つつもたせ』という言葉自体は賭博のイカサマなどをさす単語だったのが、安物を高く売りつけること→法外な料金での売春行為の隠語と転じていったものだと言われています。
6.梯子
読み方は『はしご』
意味は言わずもがな、屋根など高いところに登るための道具。
語源は“はし”とは橋、“ご”は横棒のこと。
7.姦しい
読み方は『かしましい』
意味はやかましいこと・騒がしいこと。
元は“女三人寄ればかしましい”ということわざが縮まって出来た言葉だと言われています。
8.御御御付
読み方は『おみおつけ』
意味は味噌汁の丁寧な言い方。
この言葉の語源は諸説あり、室町時代の宮中に仕える女房が言い出した、または関東地方で発祥した古い東京弁だとか。いずれにせよ、味噌汁を上品に言い表した言葉ということでしょう。
9.小鳥遊
読み方は『たかなし』
実在する苗字。
元来は“高梨”という苗字が“小鳥が遊ぶような空には、天敵の鷹がいないだろう”という事柄から転じてそうなったのではないか、と言われています。とんちが効いて名前栄えするネーミングから、創作の登場人物などによく見られるようになり、今は創作人物の人口のほうが現実の小鳥遊さん達よりも多いという噂もあります。
10.驟雨
読み方は『しゅうう』
短く激しい雨のこと。同義語ににわか雨・夕立があります。
夏の季語で、芥川賞を取った吉行淳之介の小説のタイトルでもあります。
何故漢字はこんなに増えたのか?それは日本語の“風情”
ここまで読んできて
“なんでこんなに読めない漢字が多いんだ?もっと簡単に、似たような同じ漢字で一纏めにすればいいじゃないか!”
そう考えた人もいるんじゃないでしょうか?実際現代日本で生きていて、上記したような漢字は日常で使うことはあまりないのかもしれません。
でもだからといって何でもかんでも一纏めにしてしまうのは、主観的な考えですが“英語的な思想”なのではないかなと私は思っています。もちろんそれが悪いわけではなく、機能的ではあります。
ですが、英語では『あなた』を全て『YOU』で表現することが出来ます。日本語や漢字はどうでしょうか?
貴方・君・あんた・お前………似ているようで少し違う言い回しの言葉一つで、丁寧さ・距離感・その人の胸中など心情を細やかに表現することが可能なのです。それが日本語や漢字の良いところであり、風情や雅さなのではないか、と私は思うのです。
言葉は本当に難しいものです。何故なら、人間が誰もが持っている『自分の感じたこと・考えていることを伝えたい』という役割を果たさなければならないのですから。どうすればほんの少しでも相手に分かるように伝わってくれるのか?昔の人達はきっとそんな風に悩んで、今の言葉や漢字の意味を作ったのではないでしょうか。
今後、知らない漢字や言葉が現れた時に“知らない・分からない”で忘れてしまうのではなく、ふっと思い出してその漢字の意味や由来を調べてみると、そこに込められた思いや考えに気付けるかもしれませんね。

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