皆さんは、香害という言葉を知っていますか?
2000年代半ばから徐々に香りそのものの苦情が寄せられるようになったのが
最初で、2013年頃になると国民生活センターで本格的な情報提供がなされる
ようになり、これらの苦情をいつしか「香害」または「スメルハラスメント」
と呼ばれるようになりました。
皆さんもニュースや情報番組で一度は耳にした事があるのではないでしょうか。
この香害は、今や社会問題となっているようです。
香りに包まれているのが好きで、こういった害がない人が多い中、
香りが苦痛で悩んでいる人がいます。気が付かないうちに迷惑行為となる
場合もあります。では、この香害とはどんなことを言うのか、お伝えしています。
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目次
香害の代表的なものは?
香害と呼ばれる代表的なものの一つに「衣類用柔軟剤」が取り上げられて
います。
日本で最初に柔軟剤を発売したのが、P&G(プロクター・アンド・ギャンブル
社)と言われています。2004年に「レノアハピネス」を発売しました。
これによって、柔軟剤の認知度は上がり、売り上げも急上昇を遂げ、2015年では
1130億円と大きく発展していき、それに伴い各メーカーが柔軟剤を発売し、
香り競争と市場は激化していきました。
「ラグジュアリーな香り」というキャッチコピーを謳い、高級感あふれたボトルと
香りが魅力的で、汗のニオイやたばこのニオイを取る防臭・消臭効果があると
聞けば、ついつい手に取ってしまうでしょう。
このように、日本で大人気となった柔軟剤ですが、歴史は意外と浅いです。
2004年以前にアメリカの柔軟剤で有名な「ダウニー」が日本上陸しており、
沖縄県では一足先に認知度がありました。
その他の都道府県では、一部のドラッグストアや輸入雑貨店で取り扱われ、
知る人ぞ知ると言った商品だったようです。
しかし、このダウニーが2004年以降に本格的に上陸してからは、この香りが
やや強めであることから、日本では嫌う人もいて、そこから香害を訴える人も
出てきたと言われています。
そもそも香害とは?
このように、柔軟剤の香り競争によって、健康被害が徐々に増えてきました。
事例では、柔軟剤の香りによって社会生活に支障をきたす人も出てきたことが
分かり、問題となりました。症状は以下の通りです。
目まい 頭痛 吐き気 かゆみ 湿疹 息苦しい くしゃみや咳
などです。
主な場所は、ベランダで干したばかりの柔軟剤の香りが漂った洗濯物が大半で、
後は、人が多く集まる場所でこのような症状があるそうです。
香害によって、学校に行けない、満員電車に乗れない、通勤、勤務に支障が出る、
引っ越しせざるを得ないなどの報告が上がっています。当人にとっては相当深刻
な症状です。
今ではスメルハラスメントと言われてしまうエピソード
私も若い頃、オーデコロンを適量より多く使っていた時期があり、会社の先輩に
指摘された事がありました。
また、同僚の女の子も香水を過剰に付けていたために、他の部署の男性が彼女の
後ろを通りかかった際に「ここはまるでデパートの化粧品コーナーにいるみたいだな」
と言われてしまいました。その当時はお互い言われてショックでもありましたが、
気付かないほど怖いものはなく、逆にはっきり言ってもらえて良かったなぁと
今では思います。
香害の原因にある、ある症状とは?
普段、私達は香りを心地よいものと捉えて、好きな香りを積極的に生活に取り入れて
きました。実際、私はアロマテラピーが好きで、ディヒューザーというグッズを用いて
細かなミストから香りを楽しんでいます。
また、今回のテーマにある柔軟剤選びも好きで、好きな柔軟剤があるから、お洗濯も
楽しくできていました。
しかし、香害という言葉や意味を知るようになってからは、柔軟剤の量をごくわずかに
する工夫もするようにしました。
家族のエピソード
実家の家族の中に、柔軟剤による香害を訴えている人がいます。
実家の母も、このところの柔軟剤ブームにより、どんなものかと使用してみたのです。
柔軟剤のほのかな香りに包まれた衣類を身にまとった家族は、すぐにその匂いに敏感
になり、違和感を感じたそうです。
そして、着続けているうちに頭痛と吐き気の症状が出たそうです。柔軟剤の香りが不快
だというのが分かっていたので、すぐ柔軟剤の使用を中止したら、この症状はぴたっと
治まったそうです。
実際に訴えている身近な家族がいて、注意喚起を促されると、やはり量の加減に気を
付けようと思わざるをえませんでした。
化学物質過敏症とは?
柔軟剤の人工的な香りが原因でこのような健康被害や化学物質に過敏になってしまう
症状で香害と呼ばれるようになりました。
ここまでの害と思うことはありませんでしたが、私にとって「香水」の匂いは以前から
苦手で、匂いによっては不快な香りというのもあって、満員電車でその匂いを嗅がされた
時はかなり不快な気持ちでしたので、恐らく香害を訴える人の多くはそんな気持ちだった
のだろうと察しました。
この「化学物質過敏症」とはどんな症状なのか?それは、化学物質を大量に体に取り
込んだり、微量な量でも長期間取り込んでしまった結果、解毒できずに発症する病気
のことです。
この化学物質は衣食住において、当たり前のように含まれています。
一度化学物質過敏症になってしまうと、今までの生活が難しくなります。
主な症状は、動機、息切れ、めまい、頭痛、発熱、記憶障害、目がかすむ、耳鳴り、
喘息、気管支炎、皮膚炎などです。人によって、現れる症状もさまざまです。
香害や化学物質過敏症は、まだ新しい病気なので認知度が低く、気づかれにくい
です。
柔軟剤の成分
柔軟剤の成分表は見たことがありますか?メーカーによって違いますが、
びっくりすることにかなりシンプルに界面活性剤(エステル型ジアルキルアンモニウム塩)
としか掲載されていなかったりします。香料も入っているはずなのに、どんな香料を
使用しているかも記載していません。消費者のニーズに合わせて何種類かの香料を
組み合わせて作られていると思われますが、その成分も企業秘密なのか公開されて
いません。
この界面活性剤もアレルギーの問題が懸念されています。適量なら良いですが、
適量オーバーで使用したり、それが毎日蓄積していくと、皮膚や口から化学物質を
知らないうちに取り込んでいることを知っておきましょう。
ちなみに私が使用しているお気に入りの柔軟剤は、ラグジュアリー感たっぷりで、
香りも良いですが、成分表には界面活性剤しか記載されていません。どういう理由
でかは分かりませんが「赤ちゃん用衣料にも使えます」と記載されています。
最近、さまざまなアレルギーを持つお子さんが多くなっています。気が付かない
うちに化学物質を取り込んでしまっている日常から、お子さんの健康を守るため
にも、赤ちゃんには自然派石鹸で別にして洗ってあげるか、柔軟剤の使用を控え
ると良いでしょう。
香害・化学物質過敏症の予防策
香害や化学物質過敏症は今や他人事ではありません。
何の症状がない人でも化学物質の蓄積によって、突然発症することも
あるかもしれません。
では、どのように予防したら良いのか。それは身の回りの化学物質を排除
していくしかありません。
①まずは、不摂生な生活を見直し、免疫力を高めて、化学物質を排除できる
体作りをしましょう。
②食品添加物や加工品、遺伝子組み換え商品は避けましょう。
③水分をしっかり摂りましょう。水は体内の毒素を排出してくれますので、
進んで飲みましょう。
④ストレスを溜めこまないようにしましょう。
⑤シャンプーやリンス、洗濯洗剤、柔軟剤などをせっけん由来や無添加商品
に変えてみましょう。
私の母が敏感肌で、弱酸性ではない市販のボディソープーだと肌が痒くなり
合わないようで、昔使っていた「牛乳石鹸」に変えたところ、痒みも肌トラブル
もぴたっと治ったそうです。昔ながらの石鹸もまた見直してみても良いかも
しれません。
香害のまとめ
①香害という言葉を知り、過剰に取り入れない
②スメルハラスメントの加害者・被害者にならない
③自然派・無添加商品を使用し、化学物質をなるべく
排除しよう
④規則正しい生活とストレスを溜めこまず、水分を多く
摂ろう

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