一日あたり約90人が自殺している計算になる現代の日本、辞めたいのに辞められないジレンマに苦しんでる人は少なくないだろう。
12月、忘年会やら何やらで私の仕事も大忙しだった。女であるというのは、時にありがたく、時に厄介である。忘年会では、尻やら何やら触られ、自分を削る思いをする。職場の同僚は手を抜くことに必死でマトモに仕事をしない。女はいざとなれば仕事を辞めて家庭に入ればいいという逃げがあることが原因でなのか、ただの怠け者か、私の周りは、THEゆとり・さとり世代だ。仕事に生きがいを持つ、向上心を持って仕事に挑もうとする私は何故か浮く。世知辛い、そして生きにくい。
男性たちと仕事をしていると、やはりその熱量に驚かされる。食べさせていかねばならぬ家族がいるからか、やはり「男=仕事」だからなのか、仕事の姿勢や考え方は尊敬する。・・・そうじゃない人もいるが。
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今回紹介する一冊は「ちょっと今から仕事やめてくる」
ブラック企業にこき使われて心身共に衰弱した隆は、無意識に線路に飛び込もうとしたところを「ヤマモト」と名乗る男に助けられた。 同級生を自称する彼に心を開き、何かと助けてもらう隆だが、本物の同級生は海外滞在中ということがわかる。 なぜ赤の他人をここまで気にかけてくれるのか? 気になった隆は、彼の名前で個人情報をネット検索するが、出てきたのは、三年前に激務で鬱になり自殺した男のニュースだった――。あらすじ引用
第21回電撃小説大賞<メディアワークス文庫賞>受賞作ということで、小説というかラノベよりの印象。自殺や、鬱という重たいテーマもスカっと爽快に書き上げている。
辞められない仕事などない。分かっていても色々なしがらみから逃れられない、という気持ちも理解できるが、仕事のせいで心を壊してしまったら何にもならない。「頑張って」仕事を続けるのでは無く、「頑張って」仕事を辞めるという選択を持っても良いのでは無いか。
会社に振り回され自分を追い込んでいく様子は、私も共感してしまうところがあった。前の職場では先輩に目をつけられ、人のいないところで痣になるほどの強さで殴られたり、教えられていない仕事を今すぐに取り掛かれとまくし立てられたりと、散々だった。そんな仕事さっさと辞めてしまえばいいのに、意地が私を離さず、日々勉強だなんて言い聞かせながら働いていた。が、自分を少し一歩離れたところで見てみると、よく状況が見えてきたりして、会社なんて人生の一部でしかないことに気付く。悩んでる時間が勿体無い!!!と私は、その仕事を辞めた。
一度そういうことを経験すると、そこからが違った。ちょっと理不尽だぞ???という事があっても、酷い奴だなこいつは???と思っても、「まぁあの時よりは全然マシ」と思える。そして同じような似た先輩が現われた時に、交わし方、攻略方法を知っているから楽なのだ。それに、案外仕事って簡単に辞められるのね!!!という事が分かったので、いざとなりゃあ辞めてやるわよという私の思いは、私自身の助けにもなっている。
私は私が本当に壊れる前に逃げることができたので、きちんと過去を学びとして活かしているが、ブッ壊れたら活かすもへったくれも無い。人生なんていくらでも変えられるし、その力を誰だって持っているんだから。
この本は、人生に絶望した人が生きる希望を見つける話だ。女性より、男性の方が共感するかもしれない。もし、仕事という暗いトンネルに迷ってしまったなら一度、この本を光に出口まで向かってみてほしい。そういう考え方もあるのか、という発見と、ぐっとくる名言たち、そして少しホロッとくるラストに貴方の道は開けるはず。

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