近年、日本でも格差社会ということが叫ばれてきました。けれどもブラジルのそれはもっと極端です。
今回はそんなブラジルの富裕層と貧困層の生活水準の違いに、迫ってみたいと思います。
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ブラジルの平均所得
ここでブラジルの平均所得を見てみましょう。
ブラジル全体の平均所得は 約156万円〜約1360万です。
この数字からもわかるとおり、 富裕層と貧困層ではおよそ10倍近い所得の差があります。
職業別年収
- 教師:平均約108万円
- 芸能関係:約216万円
- 警察、政府要人警護:約250万円
- 自動車メーカー総合職:約458万円
- 広告代理店関係:約549万円
- 経営コンサルティング、執行役員等:約1,190万円
- 保険関係役員:約1,350万円
- 輸出入業(小売):約221万円
- 銀行員(一般職員):約270万円
- サッカー選手:約1,600~万円
参考:
ブラジルで急増するヘリコプター
ブラジル最大のビジネス街サンパウロには、渋滞を避けるために数多くのヘリコプターが飛んでいます。 車のクラクションの音に混ざって、ヘリコプターの飛び交う音が響き渡ります。
今サンパウロには世界最大の、541機のヘリコプターが存在します。
大企業の並ぶビジネス街、ヴィーラオリンピア地区のヘリポートの数はバス停の数よりも多いのです。
サンパウロの渋滞は世界最大級を誇るため、 その混雑を避けて少しでも早く移動するためのヘリコプターなのです。
ブラジルワールドカップにおける富裕層と貧困層
ブラジルワールドカップの時に、リオデジャネイロやサンパウロなどのブラジルの都市部を中心に、 デモやストライキがおこっていたのは、ニュースなどで見て知っている人も 多いと思います。
ワールドカップのチケットの価格をFIFAが高く設定しようとしていたのに対して、 ブラジル政府はできるだけ低価格に抑える努力をしました。
それでもワールドカップの試合を観戦することができたのは 、ほとんどが白人系の富裕層でした。
貧困層の民衆の生活はと言うと、 物価の高騰やブラジルの通貨レアルが下落していることから、 食べるのにも困る生活を強いられています。
多くの貧困層が利用する、リオデジャネイロの公共の診療所は、税収不足から経営が破綻し、閉鎖されてしまいました。
富裕層の多くは、医療保険を利用して私立病院にかかるため、
本当に影響を受けているのは貧困層ばかりです。
公立学校の職員や警察官と言った公務員の給料が滞り、 学校は閉鎖され、警察官によるストライキが行われ、リオデジャネイロは全くの無法地帯となっていました。
警察のストライキによって警備や犯罪の取り締まりが、行われなくなり犯罪者が我が物顔で、街を闊歩する事態になりました。
このように 国民の60%を占める貧困層を全く無視したワールドカップでありオリンピックでした。
ブラジルで見たひとつだけのインスタントラーメン
筆者が住んでいるアパルタメント(アパート)の近くには、日経の方が経営するスーパーマーケットがあります。
ここは日本語も通じるのでよく利用するのですが、3ヶ月ほど前のこと、 私が朝食用のパンやハムなどを買うために、このスーパーを訪れていました。
買い物を済ませて、会計をしようとレジの近くへ行くと、兄弟と思われる男の子が二人やってきて、インスタントラーメンの袋を一つと2レアル札を差し出しました(日本円にして100円くらい)。
男の子二人で買い物に来ているのに、インスタントラーメンをひとつしか買わない事に、私は違和感を覚えました。
おそらくこの男の子たちには、この2レアル札しか持ち合わせがないのだと思いました。
今ブラジルは ハイパーインフレ状態にあり、去年まで5レアルだった冷凍のフライドポテトが、今は12から 13レアル、 5レアルだった食パンが8レアル まで値上がりしています。
我が家の主人が 管理人を務めるこのアパルタメントも、家賃の払いきれずに 退去を余儀なくされる人が 後を絶ちません。
学校の給食の実が唯一の食事、という子供も少なくないのです。
ブラジルの富裕層と貧困層まとめ
ここまでブラジルの富裕層と貧困層の生活水準の差について、ご紹介してきました。
日本でも貧富の格差ということが問題になっていますが、 ブラジルの格差の比ではありません。
ブラジルの貧困層の生活を目の当たりにして、私は大きく世界観が変わりました。
ただ毎日食べるものがあり小さくても家があり、仕事もちゃんと持ってるということが、「当たり前じゃない」どれほど幸せなのかということを思い知らされました。
特別良くもないけれど特別悪くもない、そんな生活が一番幸せなのだと思います。

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