なんか今回は、表紙から女子感の強いものなので紹介がしにくいと言うか照れがあるが、決して可愛い物語では無い。
「あのとき、こうしてれば」・・・例えば、あの女と別れたの失敗だったよなぁ、前の仕事の方が良かったな辞めなけりゃ良かったなぁ、など人間は常に後悔をして、隣の芝を青く見るが、じゃあ本当に、その選択をしていたら幸せになっていただろうか??
誰もが夢見る、もうひとつの人生の果てには、何が待っているだろうか。
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世にも奇妙な物語のような、ぞっとする怖さ
派手で男性経験豊富な 蒼子A、地味な蒼子B。互いにそっくりな二人はある日、入れ替わることを決意した。誰も が夢見る〈もうひとつの人生〉の苦悩と歓びを描いた切なくいとしいファンタジー。(あらすじ引用)
最初はゆっくりと物語が進むが、途中から、ミステリーというか、サスペンスというか、ファンタジーというか、もはやホラーな展開になり、そこからはジェットコースターのような速度で落下していく。
主婦が一度は思いそうな、あの時、別の人と結婚したなら・・・という想像が叶ってしまう、夢のような、お話。女の思考満載!!なので、読んでいて女性なら共感すること間違いなし。スリリングな展開に、ページをめくる指が止まらない。
この本の怖さ、物語の怖さは、自分の奥を見てしまったような感覚になるからだ。奥深くに潜んでいる自分自身が顔を出すような、合わせ鏡のような奇妙さと不気味さ。有り得ない話なのに、有り得ないよねと笑い飛ばすことが出来ないのは、自分を重ねて見てしまっているからかもしれない。
幸せとは・・・
この小説を読んで思ったのは、結婚における幸せとは一体何だろうかという事。いくら今の時代になって晩婚化が進んだとは言え、やはり結婚をしていないと変な人だと思われる節があったり、誰かの結婚に羨んだり嫉妬したりする人は少なくない。とくに女性は、多いのではないか。自分より先に結婚した子を妬んだり、その旦那さんの肩書きを自分の旦那と比較したり。
女の幸せは、家庭を築くことだけじゃないはず。邪魔しているのは世の風潮か??それとも自分自身か。結婚をして、子供を産むのが当たり前という認識があるとすればもう、古いのではないか??・・・そもそも、幸せとは何か。何をもって幸せと言えるのか。人のことは良く見えてしまうものだ。私は、結構ヘビーな人生を歩んでいる方だが、周りの人には「人生薔薇色そうだよね」とか言われて生きている。あと、「悩み事無さそうだよね」だ。いい加減にしてほしい。
みんな完璧に生きている訳ではなく、それぞれに何かを抱えて生活している。あの時ああしていれば、と考えることは私にもある。けど、結局は、自分の選んだ道で納得する他ないのだ。そもそも、きっと、また一から生まれ変わっても同じような選択を繰り返して、何度目かの私の出来上がり!!ってな具合になるに違いないんだから。・・・分かっていてもね、時々、自分を辞めたくなるけどね。
この本は、自分の環境を変えるには、自分で行動するしかないよって背中を叩きつけてハッとさせてくれる力があった。自分の選んだ人生、それ以上でもそれ以下でもない。言い訳したくなる自分の人生の選択に、この本が喝を入れてくれた気がした。
あなただったら、どうする??
この世のどこかに、もうひとりの自分がいるとしたら。自分が選びそこねた選択を、もうひとりが選んでいたら。見てみたいよね、もうひとつの人生。もうひとりの自分自身。
そこで、この本を開いてみよう。ブルーもしくはブルー。この本の中に、あなたと、もうひとりのあなたが存在している。見てみてほしい、この本を通して、自分自身を。

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